指定航空従事者養成施設とは？

指定航空従事者養成施設とは、航空法施行規則に定められた技術基準に適合し、国土交通大臣から指定を受けた操縦士等の養成施設のことです。
操縦実習を安定的かつ高度なレベルで実施するため、法政大学は2010年3月に「法政大学飛行訓練センター」を開設し、2010年8月に指定航空従事者養成施設の認定を受けました。指定航空従事者養成施設となったことで、在学中に取得できる４つのライセンス（自家用操縦士・事業用操縦士・等級限定変更・計器飛行証明）の試験を、航空局試験官に代わって法政大学の技能審査員が行っています。
さらに法政大学飛行訓練センターの訓練所はすべて国内にあるため、学生は日本語で学習でき、航空や飛行機の操縦に関わる知識、技術をより深く修得できます。航空局による定期的な組織検査も受けながら信頼性のある教育体制を維持していることが、卒業生の高い就職実績にもつながっています。

教員からのメッセージ

山下 勝 教授

業務経歴：	防衛省操縦士、航空大学校教官、国土交通省航空局首席航空従事者試験官・首席運航審査官、航空大学校教頭
飛行時間：	11,452時間
メッセージ：	エアラインパイロットは、特別な能力や優れた運動神経を持っている人でないとなれないというイメージがあるかも知れませんが、そんなことはありません。しかし、パーソナリティを含めてオールラウンドに平均以上の能力が求められます。また、それらの能力を総合能力としてまとめ上げるマネジメント能力も必要です。修得すべき科目や各種学科試験は多くありますが、健康管理を大切にしてパイロットになるための基礎知識と心構えをしっかり身につけましょう。 訓練開始後は初めて経験することばかりで戸惑うこともあるかもしれませんが、決して不安に感じることはありません。みなさんには「パイロットに絶対になる」「エアラインに就職する」という同じ目標を持った仲間（同期）がいます。教官陣も皆さんを全力で応援します。 法政大学飛行訓練センターでは、皆さんの夢や憧れを具体的な目標に変え、その実の「道しるべ」を用意しています。是非チャレンジしてください。

訓練機紹介

セスナ172S

セスナ172Sは単発プロペラ推進の飛行機で、高翼式の構造から安定性が高く、訓練機として世界で最も人気の高い飛行機です。本学ではグラスコックピットを備えた新型機を自家用操縦士課程と事業用操縦士課程の訓練で使用しています。

ダイヤモンドDA42

ダイヤモンドDA42はディーゼルエンジンを搭載し、補給なしで大西洋の横断に成功したほど燃料の経済性に優れています。グラスコックピットとスティックタイプの操縦桿を備え、次世代の訓練機の主流として注目されています。本学では大分訓練所での等級限定変更課程と計器飛行証明課程の訓練で使用します。

ビーチクラフトG58バロン

ビーチクラフトG58バロンは双発レシプロのベストセラーで、エアラインパイロットの基礎訓練に世界中で使用されています。エアラインでは、使用する機体のほとんどがグラスコックピットであるため、本学ではグラスコックピット化された機材を岡山訓練所での等級限定変更課程と計器飛行証明課程の訓練で使用しています。

訓練所施設紹介

法政大学飛行訓練センターでは、国内3か所に訓練所を設置し、日本語による濃密な訓練を実施しています。また、各訓練所には遠隔授業装置が設置されており、小金井キャンパスで実施している航空関連科目を受講することができます。

上空から3つの訓練所を旅してみよう！

Google Earthを使って各訓練所を上空からご覧いただけます。
画像をクリックして、プレゼンテーションを開始してください。

桶川訓練所

桶川訓練所は、新宿から電車で約1時間、埼玉県桶川駅から車で約20分の場所に位置しています。自家用操縦士課程では、東京上空を飛行し、横浜、大島まで飛行。事業用操縦士課程では、桶川から仙台、新潟、名古屋など、さらに遠くまで飛行します。
桶川訓練所には、自家用操縦士課程と事業用操縦士課程の教室があります。各教室には訓練生が一つ課題をクリアするごとに磁石を一つ貼るホワイトボードが設置されており、磁石が一つ増えるごとに「パイロットに近づいていること」を実感できます。各訓練所には、航空関連図書が取り揃えられており、学習に欠かせないアイテムになっています。

大分訓練所

大分訓練所では、等級限定変更課程および計器飛行証明課程の訓練を実施しています。
大分訓練所がある大分空港は、国東半島の東端に位置し、瀬戸内海に面して全長3,000ｍの滑走路が伸びています。大分訓練所の教室は大分空港に隣接しているため教室の窓からはエアライン機が離着陸する様子を見ることができます。訓練はエアライン機と同じ滑走路を使用して行われます。
大分訓練所がある国東市の隣に位置する杵築市は、法政大学の前身である東京法学社の設立に関わった金丸鉄、伊藤修の出身地で、本学にとってゆかりのある土地です。

岡山訓練所

岡山訓練所では、等級限定変更課程および計器飛行証明課程の訓練を実施しています。
岡山訓練所がある岡南飛行場は、旧岡山空港として多くの旅客機が発着していた歴史があります。訓練では瀬戸内海上空を飛んで四国や九州の空港に向かい、大分空港に着陸する機会も多くあります。